現在、我々が見たり・聞いたりする地上波放送のテレビ番組やラジオ放送は、ほとんどがアナログ放送で放映されている。しかし、2011年をめどに総務省のすすめで、全世帯のテレビなどのアナログ放送を廃止し、デジタル放送に移行する施策が打ち出されている。全世帯デジタル放送化に伴い、インターネットを活用したeビジネスやEC市場の拡大が期待できる。
まず、最初に全世帯デジタル放送化について触れてみると、2003年度末までには、関東・近畿・中京地区でデジタルでの本放送を開始するとともに、2006年度までに全国的なデジタル放送の親局を配備する計画となっている。また、2011年には中継局を完備して全国規模でのデジタル放送が行えるようになり、アナログ放送を終了するといったスケジュールになっている。
年 度 |
2001 |
2003 |
2005 |
2007 |
2009 |
2011 |
アナログ |
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デジタル |
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デジタル放送化のメリットとして、
1)高品質な映像・音声
2)チャンネルの多様化
3)テレビ視聴の高度化が可能
4)高齢者・障害者にやさしい
5)安定した移動受信
などが、大きなメリットとして上げられる。
ここで、デジタル放送市場そのものについて触れてみると、NRI野村総合研究所の調べによると、BSデジタル・CSデジタル・ケーブルテレビ(アナログを含む)地上デジタルの4放送市場は、2001年度約3,800億円から2006年度には約1.3兆円まで市場規模が拡大すると予測している。デジタル放送市場が急拡大する要因は、BSデジタル放送の普及が進むとともに、同放送の広告市場が成長するためだとしている。
このように、デジタル放送市場が拡大するとともに、デジタル放送とインターネットが結びついた商取引も拡大すると考えられる。例えば、ニュースなどを見ながら関連記事をインターネットで検索し、より詳しい情報を収集したり、ドラマで使用されている服を、その場でインターネット購入したりすることができるようになる。
今後の、eビジネスやEC(eコマース)の急拡大には大きなビジネスチャンスが秘めている。
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